2003年3月3日

欧州市場開拓を本格化、デリバリー基地開設も計画

福岡クロス工業 5年内の世界トップシェアに向け


 電力ケーブル・光ファイバーケーブル向けの被覆テープ製造、福岡クロス工業株式会社(福岡市博多区比恵町、天岡健社長)は二〇〇三年、欧州市場の開拓を本格化する。
 佐賀県千代田町の九州工場内に建設していた電力ケーブル向けの「コーティング工場」と「カスタマー用専用工場」が今年二月に完成するのを機に五年内の世界トップシェア獲得を狙う一環。
 国内需要は突出している光ファイバー向け以外は冷え込んでいるが、台湾の電力向けを中心に輸出が好調で、〇二年はエジプトの有力電線メ ーカー三社のうち二社から受注した。〇三年は特にヨーロッパ市場の開拓に注力し、商社と組んでデリバリー基地の開設も計画している。また光ファイバー向けは引き続き米国市場の早期開拓に全力を注ぐ。
 天岡社長は「海外でも競争激化から単価下落が顕著となり、以前のような利益率の確保は難しくなってきた。品質面で他社を圧倒するととも に『欲しい』と思われる付加価値のある商品開発に努め、世界制覇に向け価格決定権を握りたい」と話している。
 同社は一九六三年設立、資本金九千四百万円、従業員数百二十人。電力ケーブル向けのほか、光ファイバーケーブル向けの被覆テープの国内シェアは九八%と圧倒的。〇二年三月期は売上高が前期比一八・七%増 の約三十六億二千七百万円、経常利益が同二・一四倍の六億六千一百万円の三期連続増収増益。
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