二足歩行ロボットの研究で世界レベルを誇る早稲田大学ヒューマノイド研究所福岡分室（博多リバレイン地下二階、ロボスクエア内）とロボット開発メーカーのテムザック（北九州市小倉北区木町一丁目）は、人間を乗せた二足歩行ロボットの階段昇降に成功、四月二十八日に博多リバレイン（福岡市博多区下川端町三丁目）地下二階のロボット体験スペース「ロボスクエア」内で公開した。
これは両者が福岡市と福岡県、北九州市、福岡市が共同運営するロボット産業振興会議の支援を受けて開発に着手していたもの。従来稼動範囲が狭いため、不可能と考えられていた階段昇降など脚を広い範囲で動かす動作を実現。高西淳夫早稲田大学理工学部教授は、「人間を乗せた二足歩行ロボットの階段昇降の公開は世界初ではないか」と話している。
二足歩行ロボットの「ＷＬ‐１６ＲⅡ」は、十二本のシリンダーで二 本の足を形成し、椅子付きで高さ一ｍ五十四㎝。脚の機構には、並列にリンク機構を制御して一点の動きを決めるパラレルリンクを使用。足を振り出す方向に腰をねじることにより、人を乗せての蹴上二百㎜の階段昇降二足歩行を可能にした。また、出力や剛性が高く約九十四㎏までの重量物を積載しての歩行ができる。
早稲田大学ヒューマノイド研究所福岡分室とテムザックでは、「今はまだ研究段階の試作機だが、今後は福岡市で評価実験と改良に取り組み、実用化にむけて研究を続けていきたい」と話している。
2005.5.17 発行 週刊経済より
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